■逸失利益とは
逸失利益とは、交通事故にあわなければ得られたであろう利益のことをいいます。具体的には、交通事故による後遺障害を負い、仕事ができなくなった場合に、かかる障害がなければ得られていたであろう労働賃金等があります。
■計算方法
①後遺障害逸失利益の場合
後遺障害逸失利益は、(1年間の基礎収入)×(労働能力喪失率)×(労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数)によって計算します。
1年間の基礎収入とは、被害者の年収のことをいいます。原則として、事故前の年収で計算します。
また、労働能力喪失率とは、後遺障害による仕事への影響を数値化したものです。労働能力喪失率は、後遺障害の等級ごとに異なる数値が定められています。
そして、労働能力喪失期間とは、後遺障害により労働が困難となってしまった期間のことをいい、原則として症状が固定された時から被害者の方が67歳になるまでの期間とされます。
最後に、ライプニッツ係数とは、将来的に得られる利息を控除するための数値です。本来分割して受け取るはずであった収入を逸失利益として一括に受け取ると、その分利息を多く得ることができることとなります。ライプニッツ係数は、このような事故による必要以上の利益の発生を無くすべく調整する役割を担っています。
②死亡逸失利益の場合
死亡逸失利益は、(1年間の基礎収入)×(1-生活控除率)×(労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数)によって計算します。
生活控除率とは、1年間の基礎収入のうち、生活費として消費していたであろう金額を控除するための数値です。
■逸失利益について押さえておくべきポイント
①慰謝料との違い
慰謝料とは、被害者が事故等により受けた精神的苦痛に対して支払われる金銭のことをいいます。このように、慰謝料と逸失的利益とは、賠償の対象に性質上異なりがあるため、財産面・精神面双方の損害が認められた場合には、逸失利益と慰謝料の両方を請求することも可能となります。
②基礎収入の算定について
基礎収入は上述の通り、原則として事故前の年収で計算しますが、被害者の職業によっては異なる取り扱いがされる場合があるため、注意が必要です。
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逸失利益とは|計算方法や押さえておくべきポイントなど
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